1-5 開発環境と本番環境の違いとは?

Web開発学習ロードマップ

Web開発を学習していると、
次のような場面に必ず直面します。

・ローカルでは動いているのに、本番で動かない
・エラーが出ないはずなのに、画面が真っ白になる
・設定をどこで切り替えればいいのか分からない

この原因の多くは、
「開発環境」と「本番環境」の違いを理解していないことにあります。

この記事では、
開発環境と本番環境の違いを全体像から整理し、
今後の環境構築・公開・運用につながる考え方を解説します。


この記事で学べること

・開発環境と本番環境の違い
・それぞれの役割と目的
・なぜ挙動が変わるのか
・学習段階で意識すべきポイント


開発環境とは何か

開発環境とは、
自分がコードを書いて動作確認を行うための環境です。

これまで使ってきた
MAMP や XAMPP を使ったローカル環境が、
まさに開発環境にあたります。


開発環境の特徴

・自分のパソコン内で動く
・インターネットに公開されていない
・自由に試行錯誤できる
・エラー表示が分かりやすい

目的は、
安全に試しながら開発することです。


本番環境とは何か

本番環境とは、
実際にユーザーがアクセスする公開環境です。

・レンタルサーバー
・VPS
・クラウド環境

などが本番環境にあたります。


本番環境の特徴

・インターネット上に公開されている
・第三者がアクセスできる
・安定性と安全性が最優先
・エラー情報は極力表示しない

目的は、
サービスとして安定稼働させることです。


開発環境と本番環境の違いまとめ

まずは、全体を整理してみましょう。

開発環境
・開発・検証用
・エラー表示あり
・自由に変更できる

本番環境
・公開・運用用
・エラー表示なし
・安全性・安定性重視

この考え方を持つだけで、
多くのトラブルを防げます。


なぜ環境が違うと動かなくなるのか

初心者が混乱する最大のポイントです。

原因は主に次のようなものです。

・PHPやMySQLのバージョン違い
・設定ファイルの違い
・ファイルパスの違い
・権限(パーミッション)の違い

ローカルでは許されていたことが、
本番では許されないケースが多くあります。


エラー表示の違い(重要)

特に重要なのが、
エラー表示の扱いです。


開発環境でのエラー表示

開発環境では、
エラーを積極的に表示させます。

display_errors = On error_reporting = E_ALL

これにより、
・どこで
・何が
起きているかがすぐ分かります。


本番環境でのエラー表示

本番環境では、
エラーをそのまま表示するのは危険です。

display_errors = Off error_reporting = E_ALL

理由
・内部構造が漏れる
・セキュリティリスクになる

本番では、
ログに記録して、画面には出さない
という考え方が基本です。


設定値の違いに注意する

環境が変わると、
次のような設定値が異なることがあります。

・PHPのバージョン
・文字コード設定
・タイムゾーン
・アップロードサイズ

これが、
「なぜか本番だけ動かない」
原因になることが非常に多いです。


ファイルパスの違い

開発環境では、
ローカルのパスを意識せずに書けていたコードも、
本番では問題になることがあります。

require_once '/Applications/MAMP/htdocs/config.php';

このようなパスは、
本番環境では存在しません。

環境に依存しない書き方を意識することが重要です。


なぜ環境を分ける必要があるのか

ここで、
「最初から本番で作ればいいのでは?」
と思うかもしれません。

しかし、それは非常に危険です。

・未完成コードが公開される
・バグでサイトが止まる
・データが壊れる

そのため、
開発環境 → 本番環境
という分離は、Web開発の基本ルールです。


学習段階で意識すべきこと

学習中は、
次の点を意識しておくと十分です。

・今は開発環境で作っている
・本番では設定が変わる
・「本番ではどうなるか?」を考える

この意識があるだけで、
将来の実務理解が格段に楽になります。


この先の学習とのつながり

この知識は、
今後次の場面で必ず役立ちます。

・レンタルサーバーへの公開
・WordPressの設定
・VPS構築
・Dockerの理解

環境の違いを理解しているかどうかが、
トラブル対応力の差になります。


まとめ

開発環境と本番環境は、
目的がまったく違います。

・開発環境は試す場所
・本番環境は公開する場所
・設定や挙動が違って当然

この違いを理解しておくことで、
「本番で動かない」トラブルを冷静に対処できるようになります。

次は、
実際にHTMLを使ってページを作るフェーズへ進んでいきましょう。


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